2023年4月23日、やすらぎの宿 双葉の杜(福島県双葉郡浪江町)で、〈映画『とんがり頭のごん太−2つの名前を生きた福島被災犬の物語−』メモリアル上映会inなみえ〉を実施し、それに先立ってメインキャストの斉藤暁さん、浪江町商工会会長の鈴木仁根さん、浪江青年会議所監事の小林直樹さん、プロデューサーの青木清光さんが舞台あいさつを行いました。
後列左から浪江町公式キャラクターうけどん、青木清光プロデューサー、斉藤暁さん、鈴木仁根 浪江商工会会長、小林直樹 浪江青年会議所監事、前列satoko & satomi(左:satomi、右:satoko)
同舞台あいさつには浪江町の復興・振興にご活躍中の方々とそのご家族を招待し、震災を知らないお子様など多数にご来場いただくなど、会場は満員となりました。
浪江町の復興・振興にご活躍中の方々とそのご家族を招待
東日本大震災で犠牲となられた方々に黙とうを捧げた後に、青木清光プロデューサーは「物語の冒頭の舞台であるこの浪江町で、メモリアル上映会を開催できて嬉しく思っております。震災を語り継ぐ映画として、震災を知らない世代の方々にも見ていただけたらと思います」と期待を寄せ、「私たちも微力ながら震災の記憶を風化させないことに貢献できればと思っております。配信を通じて、より多くの方々にご覧いただけるように、今後とも活動を続けていきます」と震災の記憶を後世に伝えるために活動を続けることを誓いました。
後世に伝える活動を続けることを誓う、青木清光プロデューサー
また、浪江町商工会会長の鈴木仁根さんは、震災当時、犬を飼われていたそうで「どうしても連れて行くことはできなかったので置き去りにした覚えがあります」と打ち明けられ、「その後、横浜の団体さんに保護され無事に私の手元に来たのですが、どうしても飼えなく親戚に預け、4年前に亡くなりましてた。今回の映画と重なって、それを思い出しました」と振り返られました。
当時を振り返る、浪江町商工会会長の鈴木仁根さん
そして、浪江青年会議所監事の小林直樹さんはこの日、3歳の娘さんとご来場いただいたことを明かされ「子どもたちに震災の経験をどう伝えていくかという問題について、改めて家族で話したりすると、どうしても重たくなってしまい、話しているほうも聞いているほうもつらい。この映画を通して伝えられたら、意味のあることだなと思っています」と熱く語られた。
どのように震災を伝えていくか語る、浪江青年会議所監事の小林直樹さん
さらに、ごん太の飼い主の、富田清役を演じられた斉藤暁さんは「私は(『踊る大捜査線』の)スリーアミーゴスとか『科捜研の女』で所長とかやってますけど、ちょっといい加減な役ばっかりやっていました。富田清はすごく実直で真面目な方です。こんな役が来たのは初めてです(笑)」と茶目っ気たっぷりに話され、福島弁での演技については「ものすごく嬉しかったです。堂々と福島弁を使えたのは初めて」と目を輝かせておられました。
加えて、西澤昭男監督について聞かれると「優しかった。(指示は)僕には何も。ニコニコ笑ってこんな(うけどんのような)目をしているよ」と表現されて、ご来場いただいた方々を喜ばせていました。
僕と違い富田清はすごく実直で真面目な方ですと、茶目っ気たっぷりな斉藤暁さん
同舞台あいさつの最後には、福島県浪江町のオリジナルソング「いくどはぁ★なみぃ」を歌うなど、浪江町出身アーティストとして、各種 SNS などで浪江町の情報発信の活動も積極的に実施しているsatoko & satomiより斉藤さんへ花束が贈呈される一幕もあり、会場は温かく和やかな雰囲気に包まれました。
浪江町出身アーティストのsatoko & satomiより、花束を受け取る斉藤暁さん
また、上映が始まると、みなさま食い入るようにスクリーンを見つめ、クライマックスで感動され、ハンカチで涙を拭っていた方も多数いらっしゃいました。
お子様からは「ごん太がとっても頑張っていた」との声があり、ご来場の皆様から「こういった映画をぜひ広めてもらいたい」との声も多数寄せられました。
本作上映の様子
『とんがり頭のごん太ー2つの名前を生きた福島被災犬の物語ー』はAmazon Prime VideoとU-NEXTでご覧いただけます。